コンテンツ制作の高能率化のための要素技術研究

森島 繁生 (もりしま しげお)

早稲田大学理工学術院 教授
https://morishima-lab.jp/



日本のアニメ作品の非効率な制作体制を一新し、近未来の多様な映像表現創成に不可欠な基盤技術群を構築する。作者の感性を反映できる演出Shader、自然現象をアニメ調に高速生成するToon-Simulator、台詞や声に同期してキャラクタの動作を制御するBehave-sync、コンテンツ再利用を円滑化するReusable-Corpusの技術から構成される。さらにこれらの統合型オーサリングツールを開発し新技術の有効性実証と新映像表現の具現化を行う。

研究実施の概要

主にアニメ作品制作をターゲットとして、コンテンツ制作の効率化をめざす要素技術の研究開発を進めてきた.日本のアニメ市場は拡大の一途をたどり、慢性的なアニメータ不足やクオリティの低下が問題視されている.そこで限られた作品制作時間の中で、高いクオリティを保ちつつ、高能率に作品制作するための技術が強く求められている.

このような背景から、効率的な3次元CG 技術をアニメ制作現場に導入することが不可欠である.本研究課題では、この導入に際して、日本のアニメ作品の特徴である手描きの作風を維持することができる、ディレクタブル(演出可能な)3次元CG の手法をさまざま提案した.特に、2次元アニメの作風において独特かつ重要であるハイライト、陰影、キャラクタ制御に焦点をあて、技術開発を行った.

研究開発した各要素技術は、SIGGRAPH, Eurographics をはじめとするメジャーなジャーナル論文もしくは国際会議での発表を行ったばかりでなく、コンテンツ制作現場で一般的なプラットフォームであるAutodesk 社Maya のプラグインとして実装を完了している.また現場スタッフによるツールの実利用によって、実際に評価映像を制作し、システムの性能評価を実施した.また、開発した一部の技術はその効率性、有効性が認知され、商用コンテンツ制作現場において実際に活用されるに至った.
この評価映像制作、商用コンテンツ制作等を通じて、技術者とアニメータとのコラボレーションにより、現場が必要とする技術、視点に技術者自身が気づくきっかけを作った.

プロジェクトで得た技術開発のポイントは以下の2つに集約される.

①ニーズに基づく問題解決のための技術開発
現場のニーズの集約等により、解決すべき問題設定がなされ、その問題解決に向けて、さまざまな技術提案を行っていくアプローチ.本プロジェクトが進行し、評価映像の制作やアニメ制作会社との度重なる打ち合わせ等から問題がクローズアップされ、開発を進めてきた技術、たとえば、MAZE、Creator’s Desktop、影造等などがこれに該当する.

②シーズに基づく技術者主導の技術開発
純粋な研究開発を目的とする課題の成果、もしくは既存の3次元CG 技術をアニメ制作に適用可能なようにモディファイして、技術者主導でアニメ制作現場へ提案を行っていくアプローチ.必ずしも、現場では必要とされない技術となる場合もありうる.
たとえば、Shade Painter、MoCaToon、Waver、AniFace、Phy-ace がこれに該当する.

チーム構成

森島繁生

早稲田大学理工学術院

安生健一

オー・エル・エム・デジタル

ウィリアム・バクスター

オー・エル・エム・デジタル

中村哲

ATR音声言語コミュニケーション研究所

四倉達夫

ATR音声言語コミュニケーション研究所

川本真一

ATR音声言語コミュニケーション研究所

チームシンポジウム一覧

  1. デジタルアニメシンポジウム2005

2005年9月26日
東京国際フォーラム

  1. デジタルコンテンツシンポジウム企画セッション「デジタルアニメの将来に向けて」

2007年6月5-7日
科学技術館

  1. 東京国際アニメフェア2008・ブース出展

2008年3月27-28日
東京ビックサイト

PDF

種類 容量
研究終了報告(公開分) 4MB プレビュー ダウンロード

← 藤幡正樹チーム | メンバー一覧へ戻る | 岩田洋夫チーム →