デジタルパブリックアートを創出する技術
廣瀬 通孝 (ひろせ みちたか)
東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授
https://www.cyber.t.u-tokyo.ac.jp/ja/projects/digital_public_art
パブリックアート作品を構成する3つの要素、すなわち「空間性」とその中に置かれたモノの「実体性」そして鑑賞者の「自己参加」を取り上げ、これらにメディア技術を適用することによってより豊かな芸術表現の可能性を追求する。「空間性」の広がり感を演出するディスプレイ、環境を構成するモノとしての「実体性」を表現する実体型ディスプレイ、「自己参加」を支援するための大空間における集団のセンシング技術の研究開発を行う。
本プロジェクトでは,パブリックアート作品を構成する3つの要素,すなわち「空間性」とその中に置かれたモノの「実物性」そして鑑賞者自身すなわち「自己参加」を取り上げ,これらに高度なメディア技術(実世界情報処理技術)を適用することによってより豊かな表現の可能性を追求するとともに,必要な基盤技術の研究開発を行う.具体的には,「空間」の広がり感や開放感を現実の3 次元空間の中で演出することのできるディスプレイシステム,外部の実環境の構成要素であるモノとして「実物性」の表現に特化した実体型ディスプレイの開発,デジタルパブリックアートへの「自己参加」を支援するための大空間における集団のセンシング技術の研究開発を行なう.これらの成果を具体的なアート作品として,パブリックスペースに展開するなどして,実証的な評価を行った.
まず,当初の計画通り,「空間性」,「実体性」,「自己参加」の要素に基づいて,基礎技術の開発を多数行なうことができた. 当初の予定通り,「空間性」,「実体性」,「自己参加」の各グループにおいて研究開発が行なわれ,国際会議・論文誌などアカデミアにおける発表はもちろんのこと,展示会のレベルでも存在感を示すことができ,多くの成果を得ることができた.
また,基礎技術を用いたアート作品の展示を通して,アーティスト,技術者だけでなく,公共空間での利用者として想定される一般大衆からのフィードバックを得ることができた. 特に,2 回にわたるシンポジウムと展示会においては,工学,芸術を問わず様々な分野から予想を超える人数の人々に参加してもらうことができた.その中で,パブリックアートの分野の人から現実の社会への組み込みの可能性についての打診を多数受けることができた.
最終的には,年間の利用客6,500 万人という日本最大級の空港、羽田空港から要請を受け,2010 年に国際化というリニューアルを控えた次世代へと進化する中核的空港におけるまったく新しい試みにおいて,デジタルパブリックアートとのコラボレーションが実現した.特に約1 ヶ月にわたるデジタルパブリックアートの存在感や意義をアピールすることができた.その結果,羽田空港の利用者からのフィードバックを受けるとともに,空港側からの要請により好評の5 作品については会期が延長となるほどであった.
廣瀬 通孝
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
相澤 清晴
東京大学情報理工学系研究科 教授
苗村 健
東京大学情報理工学系研究科 准教授
川上 直樹
東京大学情報理工学系研究科 講師
鈴木 康広
東京大学先端科学技術研究センター 特任助教
- Digital Public Art Symposium 2005
2005年12月13日
東京大学武田先端知ビル
http://www.digital-public-art.org
- 木とデジタル-自然と人をつなぐデジタルパブリックアート展
2007年5月2日~6日
青山スパイラルガーデン
http://www.digital-public-art.org
- ASIASIGGRAPH先端技術展示
2007年10月11-14日
秋葉原UDX
- デジタルパブリックアート国際シンポジウム
2007年10月14日
秋葉原UDX
- ARS ELECTRONICA キャンパス展 「Hybrid Ego」
2008年9月4-9日 LINTZ
http://www.digital-public-art.org/archive/archive.php?pg=ars
- 空気の港 -Please Watch Your Step
2009年10月9日〜11月3日
羽田空港第1、第2ターミナル
- デジタルパブリックアートシンポジウム
2009年10月30日
羽田空港ギャラクシーホール